精液検査を受けたらわかること

精子があるかないかが診断のポイント

不妊治療を行なっているクリニックであれば、精液検査は産婦人科、泌尿器科のどちらでもしてもらえます。

検査の結果で最もたいせつなのは、精液の中に精子があるかないか。

精子がない=無精子症とわかった場合は、泌尿器科の専門クリニックを紹介してもらいましょう。

無精子症には精子の通り道がふさがっている「閉塞性」と、ふさかっていない「非閉塞性」とがあり、閉塞性では手術によって精子を採取でき、非閉塞性でも原因によって約半数は手術で精子をとることができます。

無精子症でない場合の原因としては、精子の数が少ない「乏精子症」や精子の運動率が悪い「精子無力症」などがあります。こうした場合には、人工授精や体外受精を行ないます。

精液の採取はどこでする?

自宅で採取する場合

病院に採精室がない場合などは、写真のような専用容器をもらって採取します。

検査するまでの時間も含め、1時間以内になるように持っていく必要があります。

病院で採取する場合

性的なイメージを促すDVDとヘッドフォンを備えつけた採精室がある場合は、病院で採取することもあります。

精液検査の審査基準

精液量・・・1.5ml以上

pH・・・7.2以上

精子濃度・・・ 1500万/ml以上

総精子数・・・3900万以上(3900万未満の場合は乏精子症)

運動率・・・40%以上(40%未満の場合は精子無力症)

正常形態率・・・4%以上(4%未満の場合は奇形精子症)

総運動精子数(総精子数×運動率)・・・1560万以上

この数字は、セックスをして自然に子供を授かる場合の最低限の基準地。下回っても妊娠できないわけではありませんが、可能性は低くなります。

無精子症ではない場合、人工授精や体外受精にトライします

乏精子症・・・精子の数2000万未満/ミリリットル 

精巣機能が低下して精子がつくられにくくなっていたり、精巣からの静脈の血液が滞ってこぶのようにふくらむ精索静 脈瘤などのほか、原因不明のことも多くあります。

精巣機能の低下や軽度の精索静脈瘤の場合は、漢方薬やビタミンなどを服用しながらの人工授精や体外受精に トライします。重度の精索静脈瘤では、手術をすることもあります。 

精子無力症・・・前進する精子50%未満

高速で直進する精子も25%未満。多くは乏精子症と合併しています。漢方薬やビタミンなどを服用して、人工授精や体外受精にトライします。

無精子症で閉塞性(精子の通り道がふさがっている)の場合、手術で精子を採取することができます。

精管欠損症・・・生まれつき精子の通り道がつくられていない

勃起も射精もしますが、精子の通り道である精管がつくられていないため、精液の中に精子が見当たらず、精液の量も少なめです。

手術によって精巣から直接精子を採取して顕微授精を行います。

精巣上体炎・・・細菌が感染で炎症を起こしたもの

炎症のため、精子の通り道がふさがってしまうことがあります。性病が原因のこともありますが、知らない間に起こしていることも。

精路再建術といって、精子が精巣上体 通れるようにする手術をするか、精巣から直接精子を採取する手術をして顕微授精を行ないます。

無精子症で非閉塞性(精子の通り道がふさがってない)の場合、原因によって精子を取れる確率が異なります。

遺伝的な病気によるもの・・・クラインフェルター症候群など

原因がはっきりしている非閉塞性無精子症のうち、比較的多いのがクラインフェルター症候群です。

ふつう男性の性染 色体は「XY」ですが、クラインフェルター症候群ではX染色体が1つ以上多く「XXY」や「XXXY」などとなります。

精子の数が少なく、男性不妊の原因 の一つです。手術で精巣内精子を採取できる確率は50%ほどです。

停留精巣・・・精巣がおなかの中にとどまっているもの

精巣は胎児ときにはおなかの中にあり、出産までに下がって陰嚢におさまりますが、なんらかの原因で途中でとどまってしまったものです。

手術をすると、精巣内精子を採取できることも。

原因不明・・・精巣内精子をとれることも

精子の通り道に問題がない場合で、最も多いのが原因がわからない場合です。

原因がはっきりしている場合にくらべると、精巣内の精子がとれる確率がおよそ20%と低くなります。