免疫力を高める

免疫力を高める
免疫力を高める方法を紹介します。ウィルス感染症対策に今できることは免疫力を高めることです。

清潔そうに見える生活も、ミクロの目で見てみると、細菌やウイルス、バクテリアなど、私たちを病気にする外敵がうようよ。でも、私たちは、そう簡単には病気になりません。

これは、皮膚が外敵の侵入をガードする関門になつているため。そして血球の一種である免疫胞が、細菌やウィルスの侵入を防いだり、攻撃して、病気になるのを防いでいるからです。「免疫」とは、外敵から体を守る、こうした体に備わった一連の働きのことをいいます。

安全と健康を守るために小まめに手を洗い、他人との接触を避けるようにしましょう。大変な時期を皆で乗り越えましょう!

免疫力を下げる人の生活習慣をチェック こんな人は要注意!

免疫力の強弱には、毎日の生活習慣や環境が大きく影響しています。 以下の項目で思い当たることが多い人は、免疫力が低下している可能性がありです。

  • ストレスを抱えている
  • 運動する機会が少ない
  • 生活リズムが不規則
  • 栄養のバランスが悪い
  • 食物繊維が不足している
  • 笑うことが少ない

年齢や食生活。ストレス、生活習慣が免疫力に大きく影響しています

免疫の働きを左右するいちばんの要因は、年齢です。私たちの体はたくさんの細胞からつくられていますが、長年の酷使で体の中には傷ついた細胞が増加。その結果、20歳前をピークにして、免疫力は徐々に低下し、45歳ごろになると、ピーク時の3分の1くらいになってしまうのです。とはいえ、だれもが同じように免疫力が低下するわけではありません。

細胞が傷つきやすいかどうかには、毎日の生活が大きく影響しています。栄養のかたよった食生活や過度のストレス、睡眠や運動の不足などが慢性化していると、そうでない人に比べ、細胞が傷つきやすくなります。そうなると、骨髄の造血作用や白血球の働きも衰えて、免疫力が低下してしまうのです。

免疫力に強い人

  • 風邪をひきにくい
  • 体力がある
  • 肌トラブルが少ない
  • おなかの調子がいい
  • けがが早く治る

私たちの体は、常に空気中や食べ物に潜む最近やウィルスなどの外敵に狙われています。 免疫力の強い人は、外敵が侵入してきても、抵抗する力や体から追い出す力が強いので、そう簡単に体調をくずすことがありません。

また、少々体調をくずしたり、ニキビなどの炎症を起こしても悪化しにくく、早く健康な体に戻れるパワーを備えています。

免疫力の弱い人

  • 疲れやすい
  • 風邪をひきやすい
  • ニキビが悪化しやすい
  • 下痢をしやすい
  • 口内炎や膀胱炎になりやすい
  • ウィルス性肝炎やがんのリスクが上がる
  • ケガが治りにくい

免疫力の弱い人は、細菌やウィルスを跳ね返す力が弱く、簡単に体内への侵入を許してしまいます。そのため、ひんぱんに風邪をひいたり、下痢をしたりと、元気がありません。傷の治りも遅く、ニキビなどの炎症を悪化させやすいという特徴も。

免疫力は自律神経との関係が深いため免疫力の弱い人のなかには、自律神経の乱れから、冷え症や便秘で悩む人もいるのです。また、免疫力が弱い人はがんのリスクが上がるともいわれています。

免疫力を高める方法

リウマチ初期症状
免疫力を高める方法、ポイントになる生活術

免疫力が働く場所は、おもに皮膚や粘膜、腸、血管やリンパ節の3つです。免疫力が働く3つの場所の免疫力の低下のサインとそれぞれの免疫力を高める方法、ポイントになる生活術について説明します。

1. 免疫力が働く場所 皮膚・粘膜

細菌やウイルスなどの外敵に最初に接するのが皮膚と、のどや鼻などの粘膜。まずは、ここが闘いの場になります。健康な皮膚では、角質が硬い外壁となって、敵の侵入を防ぎます。それでも、傷がついたり、皮膚のバリア機能が衰えて細菌に感染すると、肌内部の真皮を通っている血管やリンパ管から免疫細胞が送り込まれ、外敵がそれ以上体内に侵入するのを防ぎます。

また、皮膚よりも内臓に近い粘膜では、免疫細胞を含む粘液が表面をうるおしながら、常に外敵の侵入を防いでいます。

免疫力低下のサイン 皮膚・粘膜

  • 皮膚がカサカサしている
  • 口や喉が乾く

免疫力を高める方法 ポイントになる生活術 皮膚・粘膜

乾燥を避ける

乾燥を避ける皮膚や粘膜が乾燥すると、 角質の細胞と細胞の間にすきまができたり、粘膜に付着した外敵を洗い流す働きがパワーダウン。そのため、湿度が低くなる冬は、 特に風邪をひきやすくなるのです。保湿や加湿、うがい、積極的に水分をとるなどして、乾燥を防いで。

温かいものを食べる

皮膚や粘膜の細胞に、酸素や栄養を与えているのは血液。血行が悪くなると、皮膚や粘膜の元気度が落ちるため、免疫力も低下します。温かいものを食べたり、衣類でしっかり保温して、血行を促すことが大切です。

ほどよい清潔

皮膚や粘膜の健康のためには、清潔を保つことが大切。でも、石け んやボディソープなどで洗いすぎると、角質の保護に必要な皮脂や、外敵をやっつけてくれる菌まで洗い流すことに。

また、抗菌グッズも使いすぎると、抗菌剤の刺激で皮膚炎を起こして、外敵への抵抗力が低下すること。清潔もほどほどが肝心です。

2. 免疫力が働く場所 腸

毎日、大量に体の中に取り入れられるものといえば、食べ物と空気。栄養を吸収する腸が無防備だと、食べ物についた細菌や、のどや鼻、胃を通過してきた空気中のウイルスなどがたちまち体内で大暴れしてしまいます。

でも、よほど強力な外敵が侵入 してこないかぎり、そんなことにならないのは、腸にもちゃんと免疫機能があるから。敵が侵入すると、腸独特のリンパ節に待機中の免疫細胞が出動し、悪さをする前にやっつけてくれるのです。

免疫力低下のサイン 腸

  • 悪臭のする便が出る
  • 便秘と下痢を繰り返す

免疫力を高める方法 ポイントになる生活術 腸

食物繊維や発酵食品をとる

腸内の環境が悪化すると、リンパ節の働きも低下し、免疫がきちんと働きません。そこで必要なの圦善玉菌を増やして腸内環境を整えるのに役立つ食物繊維や 発酵食品。繊維の多いきのこや海藻、ヨーグルト、キムチなどをとって、常に腸を元気にしておくことが大切です。

リラックスタイムを持つ

ストレスは腸の大敵。過度のストレスは、自律神経のバランスをくず、腸のぜん動運動も低下させます。そうなると、悪玉菌が繁殖して腸内の環境が悪化し、免疫機能に影響が出てきます。入浴や好きな音楽を聴くなどで、ストレスをやわらげることが必要です。

運動で便秘を解消する

食物繊維の不足や、過度のストレスに加え、運動不足も便秘の原因。適度な運動が不足すると、自律神経が乱れやすくなり、腸のぜん動運動も鈍くなって、免疫機能が低下することがあります。また、慢性的な運動不足の人は、便をスムーズに出すために欠かせない「腹筋」も衰えています。

3. 免疫力が働く場所 血管・リンパ節

骨髄でつくられた免疫細胞は、血管やリンパ管を通って、体じゅうをかけめぐっていますが、特に集中しているのが耳の下やわきの下、足のつけ根などにある「リンパ節」です。ここには、最強の免疫力ードマンの「リンパ球」が待機していて、皮膚や粘膜、腸の壁、さらには顆粒球が外敵を防ぎきれないと。ただちに出動します。発熱したり、けがをすると、耳の下やわきの下がはれるのは、リンパ節で免疫細胞が外敵と闘っている証拠なのです。

免疫力低下のサイン 血管・リンパ節

  • 風邪をひきやすい
  • 傷が治りにくい

免疫力を高める方法 ポイントになる生活術 血管・リンパ節

感情を表に出す

ストレスがたまると、血液やリンパ液の循環をコントロールする自律神経のバランスがくずれ、免疫機能も低下。笑ったり、泣いたり、怒ったり……。 感情を表に出すことが、免疫カアップにつながります。 また、笑うと、がん細胞に対抗するリンパ球の一種「NK 細胞」の働きを活発にすることもわかっています。

体を動かして、ぐっすり眠る

運動不足や睡眠不足が慢性化すると、疲れが取れず、ストレスもたまってきます、そうなると、自律神経のバランスがくずれ、免疫細胞も元気に働くことができません。適度に体を動かしてぐっすり眠ることが、自律神経のリズムを整え免疫力のキープにつながります。

体を冷やさない

体が冷えて、血液やリンパ液の流れが悪くなると必要なとき必要なところに免疫細胞が充分に出動できず、外敵の侵入を許してしまうことになります。免疫カアップのためにも、冷えは大敵。重ね着をするなど、外気温に合った服装をして、体を冷やさないことが大切なのです。

Medically reviewed by

  • Sachiko Mitarai, MD
    Sachiko Mitarai, MD

    免疫力が働く場所は、おもに皮膚や粘膜、腸、血管やリンパ節の3つ。そして、これらの場所で細菌やウイルスをやっつける兵隊として働くのが、白血球です。白血球は、大腿骨や上腕骨などの中心部にあり、血液のもとになる造血細胞がたくさん詰まった「骨髄」という組織から誕生します。白血球の一種である免疫細胞には、 「顆粒球」と「リンパ球」があります。