男性不妊の特徴、見た目でわかるなりやすい人

男性不妊の特徴
男性不妊の特徴、見た目でわかるなりやすい人

男性不妊の特徴を、見た目、生活習慣、精液の色などから紹介します。特徴があてはまるからといって男性不妊とは限りません。病院で検査することをおすすめします。自分が男性不妊かを知るのは精液検査を受けるのが一番いい方法です。

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見た目からわかる男性不妊の特徴

男性の体の見た目からわかる男性不妊の特徴を紹介します

1. 睾丸が小さい

精巣(せいそう)は20ミリリットル前後にまで大きくなるのが一般的(日本人の成人男性の精巣容量の平均は15~20ミリリットル程度)です。

しかし、精巣が十分に大きくならないと、自然妊娠で子どもをもうけられるだけの精子が作られにくく男性不妊の原因になることがわかっています。

精巣の長径は4cm前後が一般的です。3cm以下の場合は、精巣の機能が低下している可能性があり、精子の数が少なかったり、無精子症(むせいししょう)だったりすることがあります。

2. 精巣(陰嚢)の大きさや感触が左右で違う

立ち上がり、陰嚢(いんのう)の皮膚がゆるんでだらんとした状態で(お風呂上がりがよい)左右の陰嚢を比べ、その大きさや感触が違うときは精索静脈瘤(せいさくじょうみゃくりゅう)の可能性があります。

また、精索静脈瘤があると陰嚢を触ったときにモコモコした感じがします。 精索静脈瘤は乏精子症(ぼうせいししょう)や精子無力症(せいしむりょくしょう)といった男性不妊の原因になります。

精索静脈瘤は精巣の中の静脈の血液が滞り、こぶのようなものができた状態のことです。血液の流れが滞ると精巣が温められてしまい、熱に弱い精子はダメージを受けてしまいます。

3. 肛門から陰嚢までの距離が短い

肛門中央から陰嚢付け根後方までの長さが短い場合、精子の質が悪いと言われています。 その長さが平均より低いとき、精子数の低下を7.3倍ひきおこしやすいことが米・ベイラー医科大学の実験結果が出ているからです。

不妊男性の肛門中央から陰嚢付け根後方までの長さの平均値は1.8ミリメートルで39.7ミリメートル以上あれば、安心していいそうです。

4. 太っている、肥満

肥満男性は、精子減少や無精子のリスクが高いと言われています。また「肥満だと正常な精子の数や精液の量が少なくなる」という報告があるので、バランスのよい食事と適度な運動を心がけ、体を健康に保つようにしましょう。

肥満男性が男性不妊になる理由として脂肪組織によるエストロゲン生成亢進や陰嚢温度上昇が考えられています。BMIの数値が25以上の人は気をつけましょう。

5. 薬指が人差し指より短いと男性ホルモン値が低い

薬指のほうが長ければ、生殖能力が高い。研究で人差し指より薬指が長いほど、男性ホルモンのテストステロンの数値が高く、いわゆる「男らしい」傾向があるとわかっています。

6. ブリーフのようなタイトな下着をつけている

イギリスのマンチェスター大学とシェフィールド大学が共同調査をし、ブリーフなどのタイトな下着を着用している男性の精子の数を調べたところ、そうでないパンツの男性よりも精子の数が少ないという研究結果を発表しました。

7. 渋くて低い声の持ち主

低い声の男性は射精中の精子濃度が低いことを示したデータがあるようです。ただし、データではすべて正常値内の数値であったこともあり、他の男性不妊の特徴とかぶるようなら気をつけたほうがいいというくらいです。

男性不妊になりやすい人の特徴

日常の生活習慣からわかる男性不妊の特徴を紹介します

男性不妊になりやすい人
日常の生活習慣からわかる男性不妊になりやすい人の特徴を紹介します

1. 運動するのが嫌い

精子の運動性は、適度な運動をしているときにもっとも高いことがわかっています。反対に、あまり運動をしていないと精子の運動性が悪いということになります。

逆に激しすぎる運動も危険です。 米国生殖医学会の運動と精子について調査した研究でジョギングやアウトドアスポーツ、ウェイトリフティングなどの運動を定期的にしている人は、精子にも好影響があり、精子のデータもよくなる報告があります。

2. 筋肉増強剤(きんにくぞうきょうざい)を飲んでいる

筋肉増強剤として使われる「アナボリックステロフド」は男性ホルモンテストステロンの分泌を抑えてしまいます。

また、精子形成を促進させるFSH(卵胞刺激ホルモン)も低下させてしまうため、精子形成にストップがかかり、やがて睾丸(精巣)が萎縮していってしまいます。

子どもを望む人は筋肉増強剤に注意です。 男性的機能を弱らせたくなければ、筋肉増強剤を安易に投与するのは絶対にやめるべきです。

3. 脂っこいものを好んで食べる

トランス脂肪の摂取量が多いと精子濃度は低くなってしまいます。一方、魚・野菜・全粒をよく摂取していると精子の運動性が高くなることも分かっているので、バランスの良い食事を心がけましょう。

4. 自転車に長時間乗っている

体外受精(IVF)クリニック受診男性およそ2300人の精液を調べたところ、毎週5時間以上自転車に乗っている男性は、普段運動をしない男性に比べて精子濃度や運動率が低いという結果になったそうです。

また自転車に長く乗るほど、勃起障害のリスクが高まることが確かめられています。原因は、「またがったサドルによる会陰部の血管や神経の圧迫」だと考えられていますす。

5. ノートパソコンを膝上で使っている

精子は熱に弱いため、発熱しているノートパソコンが精巣近くにあると、精子が死んでしまう可能性があります。

ニューヨーク州立大学の研究で、パソコンからの放熱や姿勢の影響で熱がこもることによって陰嚢の温度上昇を招くことが確かめられています。

6. ストレス

ストレスは男性ホルモンバランスを崩し、生殖機能の低下やセックスレスを招くこともあります。 ストレスによって精子をつくる能力が低下したり、精子をつくるプロセスに問題が起こるため、精子の数が減ったり、運動率が低下することがあります。

7. 育毛剤を使っている

育毛剤の治療薬として効果が認められている『フィナステリド』は、男性ホルモンの作用を抑えて、毛を生やす効果があります。

ただし副作用として性欲減退(せいよくげんたい)、射精障害(しゃせいしょうがい)、精子の数の減少、EDが起こることもあるそうです。

こうした副作用が起こるのは1~3%といわれていますが、妊活中の薄毛治療は慎重に!

8. 糖尿病(とうにょうびょう)にかかっている

糖尿病患者が勃起障害EDになる確率は、そうでない人に比べ2~4倍も高いといわれています。

また、2型糖尿病は男性不妊の確率を高めるといわれているそうです。精子の機能には個人差がありますので、きちんとした検査を受けることをお勧めします。

9. 喫煙している

喫煙が生殖機能に及ぼすマイナスの影響については、これまでに多くの報告がなされています。喫煙は勃起不全(ED)の原因となります。

さらに、精子形成にも異常を及ぼし、精子の運動性を低下させたり、異常な形態をした精子の出現頻度を高める傾向があります。 運動性の低い精子や異常な形態の精子は受精能力が低いため、男性不妊の原因になります。

また、受精に成功したとしても、流産や先天性疾患(せいてんせいしっかん)に関するリスクの上昇が懸念されます。

10. 年齢が40歳以上

フランス国立衛生医学研究所では、体外受精を受けた約2000組のカップルを調査。 男性が40才以上のカップルは30才以下のカップルにくらべ、女性の年齢にかかわらず妊娠率が70%低かったといいます。

年齢による不妊の原因は、男性にもあると結論づけました。年齢というと、女性側だけに問題があるというのが広い見解でしたが、最近は男性にも影響があるという報告が出ています。

精子は、何歳になってもつくられます。ただ、年齢を重ね、いわゆる男性の更年期くらいになるとホルモン分泌の関係からつくられる精子の数が減ります。

「加齢により精巣の構造が変化する」、「精液所見が低下する」、「性ホルモンの分泌が低下する」、「精子の遺伝子変異が増加する」などが知られています。

11. 長湯がサウナが好き

精子を作るのには睾丸(精巣)を最適な32~33度を保つのが大切です。 熱いお風呂やサウナに長時間入っていると、せっかくつくられた精子の質を低下させてしまいます。

また熱くなったサウナのいすに座ると精巣の温度がますます上昇してしまうので、要注意です。

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精液でわかる男性不妊の特徴

精液でわかる男性不妊の特徴
精液の色や状態でわかる男性不妊の特徴を紹介します。

精液の「量が少ない」、「黄色っぽい」、「粘度が強い」、「薄くてサラサラしている」、「種無し男」など、見た目の特徴で比較してしまうことも多いと思います。

精液が出ていても、精子の数が少ない、精子の運動率が悪い、精子の形態異常などがあり、妊娠に至らないこともあります。妊娠しにくいと感じたら、早めに男性不妊の検査を。

1.精液の量が少ない

一般的に精液の量は2ml程度です。1ml以下の場合は含まれる精子の数も少なくなるため、その分妊娠しにくくなります。

精液検査の基準値で、最低限の値(精子がlmlあたり1500万個)に満たない場合は、精子の数が少ないといえます。「乏精子症」とも呼ばれ、妊娠率は低くなります

2.精液が赤みがかっている(茶褐色)

精液に血が混じっているからです。そのような症状を「血精液症(けつせいえきしょう)」といいます。 精液に血が混じったら、妊娠に何らかの影響が出てしまうのではないか…と不安になってしまう人も多いかもしれません。

精液が赤みががっていても実際には、不妊につながる可能性はほぼありません。どうしても気になるという人は、泌尿器科で診てもらいましょう。

3.精液が突然、黄色になった

人によっては乳白色であったり、普段から黄色っぽいこともあります。しかしある日、突然精液が黄色くなった場合、膿精液症(のうせいえきしょう)かもしれません。

膿精液症の原因は、白血球(はっけきゅう)の増加によるものです。精巣内に何らかの細菌が侵入してしまい、白血球が戦闘態勢となっている状態なのです。

白血球が増加する原因として一番多いのが、性病の一種であるクラミジアによる感染症です。膿精液症は不妊症に繋がるので早目に治療することが大切です。

4.精液が透明だったら無精子症(むせいししょう)?

精液は時間がたつにつれて混ざり合ってきて、やがてほとんど透明に近いような白っぽい色になっていきます。

精液の状態は体調によっても異なるので、見た目で判断できるものではなく、医師にも精液検査をしなければわからないものなのです。

無精子症の人は男性の100人に1人の割合ですが、精液が透明だと精子がいないといわれることもありますが、そんなこともないようです。

5.精液がゼリー状

精液に含まれるゼリー状のものは、前立腺液(ぜんりつせんえき)が固まったもので生理現象ですので性病ではないです。体調や体質の変化、射精の頻度が少ないと起こる場合があります。

注意点として、射精するときや排尿する際に痛みや痒みがあり血液が混ざっているという場合は、性病などの可能性があります。精液がゼリー状であることは妊娠しやすさやしにくさには、関係していないとされています。

男性不妊チェック

男性不妊チェック
男性不妊になりやすい人をチェック

WHOの調査では、不妊カップルの半分は男性側に原因があることがわかっています。 気になることはありませんか?

精子の詳しい状態は検査してみないと詳しいことはわかりませんが、これまでの病歴や生活習慣などから、男性不妊になりやすい人をチェックできます。

勃起や射精などの性機能、精子の生産に大きくかかわる睾丸(こうがん)の状態をチェックしましょう。

1.精巣(陰嚢)が小さい、または左右の大きさが違う

精子をつくる機能が低下する精索静脈瘤(せいさくじょうみゃくりゅう)の可能性があります 精巣(せいそう)が小さい人は精細管(せいさいかん)の数が少ないため、 精子の量も少ない傾向があります。

左右の陰嚢(いんのう)の大きさが違う人は、精巣からの静脈の血液が滞ってこぶ状にふくらむ精索静脈瘤の可能性も考えられます。

静脈瑠は左側の陰嚢にできる事が多く精索静脈瘤があると陰嚢を触ったときにモコモコした感じがします。

  • 精巣の長径が3cm以下
  • 左右の陰嚢に違いがある
  • 長時間、椅子に座っていると陰嚢が痛む

2.思春期以降におたふくかぜにかかった

精子をつくる機能に影響することがあります 思春期以降におたふくかぜにかかると、睾丸炎(こうがんえん)になることがあります。

おたふく風邪発症後に、睾丸の腫れや赤みと急激な痛みが現れる症状です。 睾丸炎はおたふくかぜにかかった男性の約10〜30%に起こります。睾丸炎から生殖能力の障害に発展するのは10%程度だと報告されています。

  • 思春期以降におたふく風邪になって精巣が腫れた

3.停留精巣(ていりゅうせいそう)の手術をしたことがある

精子をつくる機能に問題あることがあります 幼少時に精巣をおろす手術(停留精巣の手術)をしていたり、 停留精巣が見つからないまま大人になると、 造精機能が低下することがあります。 睾丸は熱に弱いので体の外側にぶら下がっているので、腹腔にあると造物機能は失われてしまいます。

  • 睾丸を下ろす手術をしたことがある

4.そけいヘルニアの手術をしたことがある

精子を運ぶ通路が詰まっている可能性があります そけいヘルニアの手術の処理で、誤って精管を閉じてしまったり、術後の癒着で精管が閉塞してしまうと、精子が通過できなくな って、不妊の原因になることが。 子どものころに手術したかどうか確認しましょう。全国調査によれば、手術した側の精管の、実に25%が閉塞しているといいます。

  • 鼠径ヘルニアの手術を受けたことがある

5.性病にかかったことがある

無精子の可能性があります 性感染症の経験があると、精液の中に白血球が多い「膿精液症(のうせいえきしょう)」になる可能性が高いといわれています。精液中の白血球は精子機能を低下させます。 また、尿道炎から精巣上体炎(副睾丸炎)を併発すると、精路がふさがり、無精子症になることも。 パートナーに感染すると、女性側の不妊の原因につながることもあるので要注意です。

  • 淋菌性尿道炎(りんきんせいにょうどうえん)になったことがある
  • クラミジア性尿道炎になったことがある

6.タバコを吸う

精子の数や運動率が下がることがあります タバコを吸う人は吸わない人にくらべて精子の数や運動率が低いといわれています。 喫煙による酸化ストレスで精子のDNAの構造 が傷つけられるおそれもあります。

  • 喫煙している

7.精液の量が1ミリリットル以下

精子の数が少ない 一般的に精液の量は2ml程度です。1ml以下の場合は含まれる精子の数も少なくなるため、その分妊娠しにくくなります。 また、先天性精管欠損症の可能性があります。先天性精管欠損(せいてんせいせかんけっそん)、は生まれつき精管が備わっておらず、精子は精巣内に閉じこめられた状態です。

  • 1回の射精で出る精液の量は約2ml以下

男性不妊になりやすい人は夫婦生活に問題がある?

男性不妊になりやすい人
男性不妊になりやすい人は夫婦生活が問題に

1.勃起しない

勃起が続かない症状を勃起障害 (ED)といいいます。 マスターベーションは可能ですが、性交渉のときはダメというパターンも多いです。典型的な例は男性が性交渉に神経質になっていることです。EDは糖尿病などが原因でなることもあります。

  • セックスのときに十分に勃起しない

2.射精ができない

射精障害(しゃせいしょうがい)。勃起はするものの、射精ができない状態です。 「射精できない」「まったく射精がない」など、自覚症状があります。

射精障害は、逆行性射精(ぎゃくこうせいしゃせい)や腟内射精ができないなどがあり、逆行性射精では、射精感はあっでも精液量が少ないことが特徴です。

また、最近では腟内射精障害(ちつないしゃせいしょうがい)が増えてきています。

  • 膣内で射精できない
  • 中折れする

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男性不妊の自覚症状

男性不妊の自覚症状
男性不妊の自覚症状は、精液の異常や射精、勃起の状態から、ある程度推測することができます。

1.睾丸からわかる男性不妊の自覚症状

精巣は楕円形で、長いほうの直径が4センチ以上という基準があります。 4センチ以上あれば、精巣の容積が15ml以上あるとみなされるため、正常な精巣と言えます。

ただし、これが3センチ以下の場合は、ホルモン異常などが疑われ男性不妊の原因となることがます。 自分で測ることができますから、ぜひ一度チェックしてみてください。

左右の睾丸を比べて見た目の大きさや硬さに違いがないかも観察してみてください。 手で触れたときに睾丸周辺にしこりがないかもチェックしてください。

もし明らかな左右差があったり、しこりがある場合は、「精巣腫瘍(せいそうしゅよう」や「精巣上体炎(せいそうじょうたいえん)」の可能性があります。

精巣上体炎は、尿路感染症(尿道炎や前立腺炎、膀胱炎など)などで入った細菌が精巣上体まで逆流して、炎症を起こす病気です。 急性期は激しい痛みと腫れがあり、しこりができます。

炎症は抗生物質で治療できますが、このしこりが残るケースもあります。 残っていても精管を塞いでいなければ問題はありませんが、しこりで精管が閉塞した場合は、無精子症の原因となってしまいます。

睾丸に触れて、男性不妊の自覚症状を発見した場合は、すぐに泌尿器科を受診してください。

2.自覚症状が少なく、見た目では気がつかない精索静脈瘤(せいさくじょうみゃくりゅう)

精子の状態を悪くする原因に「精索静脈瘤」があります。 精索静脈瘤とは、精巣から血液が心臓へと戻る際にまず腎静脈に流入するのだが、静脈の逆流防止弁の不良により、腎静脈から精巣に向かって逆流が起こり、精巣につながる 蔓状静脈叢(つるじょうじょうみゃくそう)が膨らんで瘤のようなものができた状態をいいます。

一般的には10~20%の男性にあるといわれていて、男性の身体的特徴から左側に起こることが多い(発生の割合は、左側80%、両側15%、右側5%)。 陰嚢の痛みや違和感などの自覚症状のために泌尿器科を受診する人もいますが、これは少数派です。

生活に支障がないので、男性不妊の検査をして初めて精索静脈瘤だとわかることが多いといわれています。 男性不妊外来を受診する人では、30~40%で精索静脈瘤が見つかるそうです。 そして、見つかった人の精巣の温度は2~3度上昇していることが多く、この精巣の温度上昇が精子をつくる能力を低下させ、「元気な精子をたくさんつくる」ことができなくなります。

泌尿器科では触診や超音波検査によって精索静脈瘤を突き止めますが、産婦人科を受診した場合には、精液検査を行うだけで原因を調べることは少ないので、もし精液検査の結果(精液所見)が悪いときは、泌尿器科で詳しい検査を受けることをお勧めします。 なぜなら、精索静脈瘤の治療によって精液所見が改善されるケースが多いからです。

3.精液からわかる男性不妊の自覚症状

「量が少ない気がする」「黄色っぽいような・・・」「粘度が強いような感じ」「とにかく薄くてサラサラしている」など、精液の見た目で男性不妊だとおもってしまうかもしれません。

しかし、素人判断は禁物です。精液の状態は体調によっても異なりますし、見た目で判断できるようなものではありません。そもそも何か異常か、何か正常かなんて、顕微鏡による精液検査を行わない限り、医師にもわからないものなのです。

精液がドロッと濃くても、精子がいっぱい入っているとは限りません。 精液の成分は、前立腺や精嚢からの分泌液がほとんどで、これらも白濁しています。見た目で精子の数はわかりません。濃く見えても精子がほとんど入っていない場合もあります。

またためておく、つまり射精しないでいると、精子はどんどん酸化ストレスを受けて、死んでいきます。射精したときにすでに死んだ精子も入っていることもあります。

見た目の濃さと元気な精子の濃度は異なると思ってください。 感染症などの病気で精液が濃くなるケースも あります。「膿精液症」といって、膿みが精液に入ってしまうこともあるのです。 精液の見た目が濃く、異常にべ夕べ夕したり、ニオイが強くなるという人もいます。

尿路や精路の感染によって、白血球数が増えることでこのような症状が出るケースもあります。抗生物質で治る可能性がありますので、泌尿器科を受診して ください。 精液に血が混じる場合、「血精液症(けつせいえきしょう)」と言うのですが、老若問わず、起こりうる現象です。

もともと前立腺というのはものすごい血の気の多い臓器です。 その中のほんの一部分がプチンと破綻したりすると、精液に血が混じることがあるのです。 出血したばかりであれば赤くなりますし、時間がたてば茶色くなります。若い人はすぐ治りますし、そんなに心配するほどの病気ではありません。

ただ、ごくまれに、年輩の方で前立腺がんの可能性があるケースも考えられます。若い人はあまり心配しなくても大丈夫です。

男性不妊になりやすいスポーツ

適度な運動、ウォーキングなどが健康にいいのは言うまでもなく、スポーツに親しんだり、筋トレも健康増進のためには、お勧めです。 しかし、激しすぎるスポーツ、マラソンやトライアスロンなどは「元気な精子力」という面からは黄色信号です。 運動によって体内の活性酸素の量が著しく増え、それが精子の状態にも影響するからです。

精液検査では、とくに奇形精子の割合が増えることがわかっています。 また前傾姿勢になるスポーツタイプのロードレーサーなどの自転車で毎日長距離を走るのは注意が必要です。前傾姿勢になるほど、自転車のサドルが男性器の近くの会陰(ペニスの付け根と肛門の間)に当たり、血流が悪くなります。 その状態で何十キロも走れば、男性器、とくにペニスへの血管を損傷するおそれがあり、これがEDにつながることになります。

長時間の自転車に乗るとはサドルが会陰を剌激して、前立腺の炎症を招くおそれもあります。前立腺が炎症を起こせば、精液中に白血球が混じり込み、精子の運動率が低下します。 さらに、精液中の白血球から出てくる活性酸素は強力な酸化作用を持っているので、精子内のDNAの断片化が起こることになります。こうした炎症が原因で無精子症を引き起こす可能性さえあります。

男性器が小さい方がに男性不妊になりやすい?

ペニス(陰茎)が大きいか小さいかは精子力、いわば「妊娠させる能力」には関係がないといわれています。 勃起して、膣内で射精できれば問題ありません。つまり、射精や精子の能力とモノの大小・長短には相関関係はないということです。 ただ極端に小さいペニス、いわゆるマイクロペニスは、勃起が不十分であったり、膣内挿入が困難なため、射精や妊娠には問題があります。現代は「膣内で射精できないこと」のほうがよほど大きな問題です。

日本人男性の勃起時の平均的なサイズは、測定方法によって異なります。下腹部の脂肪の厚みの影響を避けるため、恥骨に強く物差しを押しつけて測定する「Bone pressed method」によって測定する必要があります。

また、医療従事者が測定した場合と、ウェブ調査のように匿名’自己申告(アンケート)で調査した場合とでは、大きな差があります。 コンドームメーカーであるオカモトがアンケートで行った調査では、日本人成人男性の勃起時のぺ二スの長さは平均15.1cm、また、2000年に行われたウェブ調査では14.6cmでした。しかし、医師が測定した場合は12.7cmと報告されているものもあるようです。

男性不妊になりやすい職業

最も多かった男性不妊になりやすい職業は{ITエンジニア」(52%)、次は「海外証券トレーダー」(14%)、続いて「教師」(10%)、「その他」は24%です。 ストレス、疲れがたまる職業 ストレスによって精子をつくる能力が低下したり、精子をつくるプロセスに問題が起こるため、精子の数が減ったり、運動率が低下することがあります。

またパソコンを使う職業で家で仕事をするときにノートパソコンを膝の上で使うのはよくありません。パソコンをひざにのせて1時間経過したあとの陰嚢(いんのう)の温度を調べると、平均2.1℃上昇することが研究で報告されています。 研究者によると陰嚢、精巣の温度がたった1℃上昇するだけで、精子の数が最大で40%も減少するとも言われており、精巣や睾丸を過度に温めることは精子の質の低下や精子の正常形態の異常をもたらす恐れがあります。

出典元:

Reviewed by

  • Sachiko Mitarai, MD
    Sachiko Mitarai, MD

    ストレス、疲れがたまる職業は注意が必要。ストレスによって精子をつくる能力が低下したり、精子をつくるプロセスに問題が起こるため、精子の数が減ったり、運動率が低下することがあります。

    またストレスによって、性欲そのものが低下したり、不妊治療そのものがプレッシャーになり、セックスができなくなるケースも少なくありません。 相模ゴムエ業株式会社が行った調査(ニッポンのセックス2013)では、「セックスをしたくないと思う理由」として、「面倒くさい」「疲れている」「性欲がない」が挙がっています。

    労働時間によるストレスや、セックスを避けてしまう理由の多くが「疲れ」であるということは、男性不妊につながりやすくなります。