妊娠しやすい年齢

妊娠しやすい年齢
健康な体作りと生活習慣が妊娠しやすい年齢につながります

一般的に女性の妊娠しやすい年齢は20~34歳と言われています。WHO(世界保健機構)でも高齢出産は35歳以上としています。

結婚してもすぐに子どもをつくらず、仕事や夫婦二人の生活を楽しんでから出産をと考えるカップルや、結婚そのものを急がない女性が増えたことから、高齢出産に関心が高まっています。

平成30年「我が国の人口動態」をみると、母の年齢階級別出生率の年次推移では、昭和50年代以降は20歳代の出生率が大きく低下し、近年は30~40歳代の出生率が上昇傾向となっています。

また母の平均年齢をみると、平成28年は第1子は30.7歳、第2子は32.6歳、第3子は33.6歳となっており、昭和50年に比べ、それぞれ5.0歳、4.6歳、3.3歳上昇しています。

父の平均年齢は、平成に入ってから一旦横ばいとなりましたが、近年は再び上昇しており、28年は第1子は32.8歳、第2子は34.5歳、第3子は35.5歳となっています。

平均初婚年齢は上昇傾向で平成28年には夫31.1歳、妻29.4歳となっていて平成28年は昭和22年に比べ夫は5.0歳、妻は6.5歳上昇しており、夫・妻とも晩婚化が進んでいるのが30~40歳代の出生率が上昇傾向にあることにつながっています。

高齢の妊娠や出産の成功率や不妊治療の成果という面からみれば、スタートは早い方がよさそうです。

Pick up! 妊娠しやすい年齢のレビュー

結婚したのが3年前、私が33歳、夫が48の時です。年齢が年齢だったので、すぐ子供が欲しいと思って自分たちで一年タイミング法をしましたが出来ませんでした。 クリニックに通い始め、検査で私の右の卵管が少しだけ狭くなっているのと、夫の精子の奇形が多くて量が基準値より低いことがわかり ...

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高度生殖補助医療による治療成績と年齢の関係

高度生殖補助医療による治療成績と年齢の関係
日本産科婦人科学会 ART 妊娠率・生産率・流産率

人工授精や体外受精などの高度な治療をおこなう場合も、35歳を過ぎると妊娠率はガクッと下がり、 逆に流産率が上がってしまうのです。 30代後半以降で子供が欲しいと思ったら、一刻も早く行動を起こさなければなりません。

高齢でも、病院に行けば必ず妊娠できると勘違いしている方も多い。今すぐ妊娠をしたい女性はもちろん、産みどきを考えている人も不妊治療のステップや、妊娠・出産で起こりうるリスクなど、正しい知識を持つことが必要です。

加齢によって、子宮内膜症や子宮筋腫などの婦人科疾患も増えてきます。できるだけ早くから、かかりつけの産婦人科を見つけておいたほうがいいかと思います。

妊娠率と年齢について

晩婚化か進むなかで日本の初産平均年齢は30歳を超え、晩産化も顕著になっています。医療の進歩によって、以前ほど高齢出産に対してハイリスクなイメージかなくなってきたのかもしれません。30代後半、40代に入ってから出産を考える人も少なくありません。

ただ、残念ながら、加齢によって妊娠しづらくなること、流・早産率が上かって出産のリスクが高まることは事実です。現代の医学をもってしても、卵子や子宮の老化を止めることはできません。

なかなか赤ちゃんを授からないと思ったときには、早めに診察を受けることも大切です。卵管がつまっている。排卵かないなどの症状がある場合は、適切な治療が必要となります。

妊娠率は年齢とともに下がるので、確たる原因が見当たらなくても、年齢によってはより効果が望める高度な冶療にトライしたほうかよいケースも。

また、男性側に不妊の原因がある場合もあります。いたずらに時間だけが経過してしまわないよう、パートナーとともに検査だけでも受けてみましょう。

すぐに妊娠を考えていない方も、基礎体温をつけるなど、自分の体を気にかける習慣を持つことをおすすめします。

妊娠しやすい年齢と年代別の妊娠力

妊娠しやすい年齢と年代別の妊娠力
見た目は関係ない年代による妊娠力の差

20代 女性の一生で、妊娠・出産に適した年代

生理が始まったばかりの10代に比べて、生理周期も安定。ホルモンの分泌も子宮のコンディションもよく、妊娠にもっとも適した時期。

Pick up! 20代の妊活のレビュー

最初は排卵検査薬でタイミングを取っていたけどなかなか授かる事ができず本格的に不妊治療に取り組んだのは2年前で一通りの検査を私も旦那もしました。 旦那は異常がなく、私は多嚢胞ぎみと言われ排卵は自力でしていたものの生理周期もバラバラでした ...

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トラブルも少ないが無理は禁物

20代は卵子の数も質も十分な状態にあります。子宮内膜も厚く、ホルモンの分泌も活発です。体のトラブルも少なく、最も妊娠・出産に適した時期。

自分の体への自覚がたりない世代でもあります。睡眠不足や偏った食生活、仕事のストレスなどを砲え込むと、婦人科系の病気の原因にも。無理をしないように気をつけましょう。

20代のメリット
  • お産が軽い場合が多い
  • 産後も体力がある
  • 2人目、3人目も妊娠しやすい
20代のデメリット
  • 経済力が弱い
  • 親自身が精神的に未熟
  • 同世代のママ友が少ない

30代前半 妊娠しやすいが、不妊も増加傾向に

卵子や子宮内の状態。女性ホルモンの分泌量は20代とあまり変わりません。妊娠しやすい時期ですがトラブルも増加。

Pick up! 30代の妊活のレビュー

36歳で結婚、自己流でタイミング法を半年続けてましたが妊娠できず、通院を決意。 本格的な妊活を始めました。病院でのタイミング法を4回続け、血液検査の結果により、排卵後に薬を服用することに... ...

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体力が落ち、トラブルが増えてくる

個人差はありますが、まだまだ妊娠力が十分にある状態。しかし、個々の生活習慣や自己管理の運によって体力が落ち、子宮の筋力が衰えでいく場合も。生理のトラブルや子宮筋腫、子宮内膜症といったトラブルで、妊娠しにくくなる人も。

自覚がある場合には婦人科の受診を。妊娠を考えている人は、自然妊娠に任せていると、あっというまに数年たってしまうので気をつけてください。

30代前半のメリット
  • 妊娠力は20代と変わらず
  • 精神的にも安定
  • 同世代のママ友が多い
30代前半のデメリット
  • お産が重くなることも
  • 婦人科系トラブルの増加
  • 仕事との両立て悩む

30代後半 妊娠しやすいが、不妊も増加傾向に

30代後半になると、卵子の老化が急速に進みます。37~38才を過ぎると卵子の数も激減し質も低下。2人目不妊も増えてきます。

30代後半は、まさに時間との闘い

35才を過ぎると、体外受精をした場合の妊娠率も下がってきます、さらに37~38才を過ぎると卵子の数も激減していきます。

また、個人差はありますが、子宮が精子を吸い上げる力が弱まってくる人も。子宮筋腫、子宮内膜症といったトラブルで妊娠しにくくなったり、最近では30代の子宮頸がんも増加しているので、定期健診は欠かさずに受けるようにしましよう。

30代後半のメリット
  • 経済的に安定
  • 精神的にも成熟
  • まだ妊娠の可能性がある
30代後半のデメリット
  • 卵子の老化が加速
  • 体外受精でも妊娠率低下
  • 流産・難産の可能性

40代 成功率は低く、残されたチャンスは数回

30代から衰え始めた卵子は、40代で一気に老化が進みます。体外受精で妊娠できるのは43才ぐらいまで。40代後半で閉経する人も

Pick up! 40代の妊活のレビュー

結婚して7年。半年間は2人だけの生活を楽しんだ後、すぐ子どもができると思っていたのですが、なかなか授からず焦る気持ちで不妊クリニックへ 。 クリニックでは卵管癒着の疑いがあるため、体外受精の治療を進めてきました。 人工授精8回、体外受精は4回しました ... ...

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不妊治療をしても、妊娠しにくい現実

40代前半になると、30代に比べて妊娠する確率がさらに下がり、妊娠しても流産の可能性が高くなります。

また、子宮筋腫、子宮内膜症、子宮がん、乳がんといった病気を発症する人も増えてきます、20代、30代にどのような生還を送っできたかにもよりますが、ホルモンバランスが崩れ、疲れやすくなったり、気分が落ち込んだり。本来ならもうちょっとあとに起こる更年期障害の症状で悩まされる人も。

40代のメリット
  • 経済的に安定
  • 精神的にも成熟
40代のデメリット
  • 妊娠しにくい
  • 産後の体力不足
  • 流産・難産の可能性

男性と妊娠しやすい年齢について

男性の妊娠しやすい年齢
男性と妊娠しやすい年齢について

胎児のときに一生分の卵子が作られる女性に対して、男性の精子は生涯にわたって毎日作られます。そのため精子は老化しないと考える人も多いのですが、最近になって男性の妊娠させる力も、年齢とともに少しずつ落ちていくということがわかってきました。

精子の老化がデータで現れ始めるのは、35歳からという医師も。また、ED(動起障害)も年齢とともに増加します。

WHO(世界保健機構)によると、不妊の原因は女性41%、男性24%、両方24%、原因不明11%。不妊には、男性側も大きくかかわっていることがわかります。

妊娠しにくいようなら、男性も精液検査で精子の状態を調べてみてください。

高齢出産にリスクはつきもの

高齢出産
高齢出産にリスクはつきもの

1. 流産率が上がる

「高齢出産」とは35歳以降の出産のこと。流産の発生率は30歳までは10%ですが、35歳で25%、40歳で40%、45歳で50%と増えていきます。これは卵子の老化によって胎児の遺伝子異常が起きやすくなるためです。

2. 母体もトラブルが起きやすくなる

妊娠中は体の弱い部分に顕著に不調が出ます。母体が高齢だと、その分、生活習慣病のリスクなど体に弱点を抱えていることも多く、妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群が起き、巨大児や、低血糖症の赤ちゃんが生まれることがあります。

3. 赤ちゃんに異常が起きやすくなる

たとえば25歳の出産ではダウン症児の生まれる確率はだいたい1000人に1人ですが、40歳では90人に1人となります。これも卵子の老化によるもの。もちろん、これは確率が高くなるというだけで、異常のないケースも多くあります。

出典元:

Reviewed by

  • Sachiko Mitarai, MD
    Sachiko Mitarai, MD

    一般的に妊娠しやすい年齢と言われる時期は25~35歳ですが生まれつき妊娠力が高い人がいれば低い人もいるのです。冷えの有無や食生活、睡眠、ストレスなどの影響で妊娠しやすい年齢は変動することもあります。