子宮卵管造影検査

子宮卵管造影検査
子宮卵管造影検査は、造影剤を注入し、卵管の通り具合を調べる

子宮卵管造影検査は、卵管が詰まってしまって、卵が精子にえぐり会えないという卵管障害を調べる検査です。基本的に、妊娠の可能性のない卵胞期に行われます。 検査では、まずカテーテルと呼ばれる細い管を子宮口に挿入し、造影剤(ヨード)を注入します。

それをX線で撮影することで、子宮腔内が白く映るため、子宮の形がはっきりとわかります。 造影剤は、時間がたにつれ卵管に流れていくため、卵管に詰まりがなければ、造影剤の白い影が、卵管の先端部分である卵管采から腹腔(おなかの中)に流れて行く様子が確認できます。

子宮卵管造影検査が可能な時期は?

検査が可能な時期は、月経が終わる7日目から排卵前10日頃までの間(低温期)。

子宮卵管造影検査の費用は?

子宮卵管造影検査の費用は、6000円~15000円前後です。施設や検査を受ける状況によって費用に差があります。

Pick up! 子宮卵管造影検査のレビュー

病院では検査後に妊娠しやすくなるという、子宮卵管造影検査。 痛かったけど、自分のペースで前に進んでいきました...

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子宮卵管造影検査をするときの注意

子宮卵管造影検査前日

  • おふろやシャワーで体を清潔にしておく
  • セックスは控える

子宮卵管造影検査当日

  • トイレをすませておく
  • 空腹の状態にしておく
  • 緊張せずリラックスする 検査日の夜
  • セックスや入浴はダメ
  • 造影剤の影響で熱が出る場合もあるが、心配はありません

子宮卵管造影検査の翌日以降

  • しばらく出血がつづくこともある。発熱や腹痛がつづくようなら病院へ

子宮卵管造影検査後は妊娠しやすくなる!

子宮卵管造影検査は、検査後に妊娠しやすくなることで知られています。これは、造影剤が卵管内 を消毒して内部の滑りをよくしたり、通過する際に卵管を少し押し広げて粘液などの軽い詰まりを 解消したりするためです。

子宮卵管造影検査のあとの6か月、とくに最初の3か月は妊娠しやすいといわれています。 この検査で、強い痛みを感じた場合、卵管の通りが悪いが多いのですが、異常がない人でも痛みをともなうこともあります。 この子宮卵管造影検査の治療的側面はひじように大事です。

初期に行なわれることが多い検査ですが、なるべく妊娠しやすい時期に行うほうが有利です。 たとえば基礎体温表や、ホルモン検査から黄体機能不全が疑われる場合、マカ、排卵誘発剤、黄体ホルモン投与などで身体のコンディションをよくしてからこの検査を受けると、より妊娠しやすいと思います。 婦人科やレディースクリニックで、この子宮卵管造影検査の設備がないところがとても多いです。

子宮卵管造影には、検査のあとの半年間は妊娠しやすくなるといった治療的な側面もあるので通院しようと思っている医療機関 に、子宮卵管造影検査の設備があるかどうか、必ず事前に確認をとっておいきましょう。

子宮卵管造影検査以外の卵管異常の発見に役立つ検査

不妊原因のうちもっとも多いのが、卵管に詰まりなどの何らかのトラブルがある卵管障害です。 子宮卵管造影検査では、これらのトラブルの発見に役立ちます。

卵管閉塞や卵管留水腫などの卵管の異常がある場合は、白い影が途中で途切れたり、滞留する様子がみられたりするからです。 さらに、粘膜下子宮筋腫や子宮内膜の一部がいぼ状に増殖した子宮内膜ポリープの有無、子宮奇形なども、この検査でわかります。

子宮卵管造影検査でわかる症状

  • 卵管閉塞、卵管狭窄
  • 卵管留水腫
  • 卵管周囲の癒着
  • 粘膜下子宮筋腫
  • 子宮内膜ポリープなど

子宮卵管造影検査時の痛みは治療の大切な情報になる

子宮卵管造影検査の前に、鎮痛剤が処方されることもありますが、子宮に造影剤を注入する際、加わる圧力により、痛みを感じる場合(生理痛のような鈍痛)があります。

とくに、卵管の通りが悪い人は子宮や卵管が膨らむために、痛みを強く感じることがよくあります。検査の痛みも大切な診断材料になるので、がまんせず、医師に伝えるようにしましよう。 検査に使われる造影剤は、からだにやさしく、最終的には腹腔に流れ出るため、妊娠の妨げにはなりません。

ただし、造影剤に使用するヨードにアレルギーのある人は、必ず事前に医師に相談しましよう。その場合は、通水・通気検査に切り替えることがあります。

通水・通気検査

通水検査は、子宮に抗生物質を含んだ生理食塩水を注入して、入った水の量で卵管の通り具合を診断します。 通気検査は、カテーテルから炭酸ガスを入れ、聴診器で卵管を通るガスの音を聞きながら、子宮内の圧力を測定して、卵管の通りを調べます。

子宮卵管造影検査とちがい、卵管の詰まっている場所までは確認できませんが、卵管を広げるための治療として行われることもあります。

出典元:

Reviewed by

  • Sachiko Mitarai, MD
    Sachiko Mitarai, MD

    子宮卵管造影検査は生理直後に行う検査。カテーテルを膣内に入れ、造影剤(ヨード)を注入して×線で撮影し、卵管に狭くなったり詰まっている部分がないかどうかを調べます。子宮と卵管に流れ込んだヨードは白く浮き上がって見えますが、卵管にスムーズに通っていない部分があると白く映りません。麻酔が使えず、痛みを伴う場合が多い検査です。卵管が拡張されることから、検査後9週間は妊娠しやすい「ゴールデンタイム」になります。