不妊治療の費用と妊娠率
![不妊治療の費用と妊娠率](../images/ninshin51.jpg)
もしかしたら不妊症
「妊娠を望むカップルが、2年以上夫婦生活をしても妊娠しない」状態を不妊症といいます。 不妊の原因の約半数は男性の側にあるともいわれています。 カップルでよく話し合い、そろって受診するのがベストです。 不妊症は特別な人だけに起こることではありません。
冷え性が続いたり、ホルモンのちょっとした乱れで起こります。 次の項目をチェックしてみてください。 あてはまるものがあるということは、不妊症予備軍の可能性もあるということ。 早めの受診が必要な場合もあります。
Pick up! 不妊治療のレビュー
結婚5年目。男性不妊と私の排卵障害で不妊治療中でした。 精子検査の結果、不妊治療の担当医から「ご主人の精子では自然妊娠は諦めてください」と告げられ、主人も私もかなり落ち込みました ...
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不妊症予備軍の可能性がある
- 月経がない月もある
- 月経の周期が40日以上あく
- 強い痛みの月経痛がある
- 運動不足だ
- 睡眠時間が極端に短い
- 冷え性である
- 35歳以上である
- 毎日のようにお酒を飲んでいる
- 喫煙者だ
- かなりハードなダイエットをしたことがある
- 太りすぎといわれる
- 痩せすぎといわれる
- ストレスが多い
- 性感染症にかかったことがある
- 子宮や卵巣の病気といわれたことがある
不妊治療の成功への第一歩は自分に合ったよいクリニック選びがカギ
本格的に不妊治療を始めるとなると、時間や費用もかかることも多く、精神的負担も大きくなります。 治療成功のポイントは、よいクリニック選びをすること。
受診したい病院が見つかったら、ホームページのチェックや電話をかけるなどして、納得がいくまで、十分にリサーチをしましょう。 不妊症は女性と男性、それぞれに原因がある場合も多いので、同じところで検査や治療ができたり、相談ができる病院を選ぶのがおすすめです。 体調が優れないときにも活用しましょう。
病院選びのポイント
- 不妊症専門医が常勤している
- 不妊治療専門、または不妊外来を毎日受け付けている
- 近所にあるなど通院しやすい
- X線撮影、手術の設備が整っている(または提携する病院がある)
- 子宮卵管造影検査ができる
- 精液検査や男性不妊治療ができる(または提携する病院がある)
- 院内やドクターの雰囲気が明るい
- カウンセラーがよく聞いてくれる
- スタッフの対応が良い
- 基礎体温表をもとにしっかりと診てくれる
- 検査結果や質問にしっかり説明してくれる
- 料金が明瞭だ
不妊治療は妊活において有効な手段ですが、「それだけやれば妊娠できる」というものではありません。 ときどき見られるのが、自然妊娠できる可能性があるのに。妊娠するまでの過程を病院任せにしすぎている人。
どんなにお金をかけて治療を受けていても、不摂生な生活やセックスレス、ストレスフルな状態では妊娠は困難です。 検査はひとつの目安。ツールであって、絶対ではない。人間の身体は自分で治せる、自然治癒というものがあります。
非科学的な話になりますが。 「私は病院に行かないと妊娠できない」と思い込むのではなく、治療を続けながらも、自然妊娠をする方法も模索しましょう。
Pick up! 不妊治療のレビュー
結婚して一年ほどたったころ、不正出血があり、心配になって婦人科に行きました。 出血は問題なかったのですが病院で排卵誘発剤で治療をしたほうがよいとすすめられ、不妊治療を始めることにしました ...
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不妊治療の検査と費用
![不妊治療の初診の費用](../images/ninshin51-2.jpg)
不妊治療の初診の検査と費用
初診や基本的な検査の場合は、男性も婦人科でも可能です。 初診では、女性は問診や内診(触診)、 血液検査などを行いますので、受診時にはズボンよりスカートが便利です。 1ケ月分だけでも基礎体温をつけ、初診時に持参するとよいでしょう。
費用
問診、内診、超音波検査、血液検査などで費用:約4000~1万円
※治療費の金額はあくまで目安です。金額は施設によって異なります。
不妊治療の費用と妊娠率
不妊治療といっても、まずは自然妊娠を助けるような治療からスタートします。そして約半年ほどを目安に次の治療へのステップアップを検討します。 体外受精・顕微授精といった高度な治療法は、費用が高額で体に負担もかかります。年齢などを考慮し、パートナー、医師とよく話し合いながら治療をすすめていくことが大切です。
病院でのタイミング法
![病院でのタイミング法](../images/ninshin51-3.jpg)
超音波検査や尿検査などで排卵日を予測し、タイミングをあわせてセックスをし、自然妊娠を期待するというものです。 男性の精子に異常がなく、不妊の原因がはっきりしない場合に、まず行う方法です。 約半年程度続けてみて、次のステップアップ(人工授精など)を検討することが多い。
1周期あたりの費用と妊娠率
- 費用 : 約5000円~1万円
- 妊娠率 : 5%~6%
※治療費の金額はあくまで目安です。金額は施設によって異なります。
人工授精
![病院でのタイミング法](../images/ninshin51-4.jpg)
排卵のタイミングにあわせて採取し、濃縮などの処理をした精子を、子宮内に注入し、自然に妊娠することを期待する方法です。 タイミング法を続けて結果が出ない場合の次のステップとして行います。
またヒュナーテストの結果がよくなかったり、セックスレスのカップルにもすすめられます。
1周期あたりの費用と妊娠率
- 費用 : 約1万円~3万円
- 妊娠率 : 7%~9%
※治療費の金額はあくまで目安です。金額は施設によって異なります。
体外受精、顕微授精
![体外受精、顕微授精](../images/ninshin51-5.jpg)
女性の体から卵子を取り出して、採取した精子と容器の中で受精させ、その授精卵を女性の体にもどす方法です。 一般不妊治療では妊娠できない、またはしなかった場合や、女性の年齢が高く妊娠を急ぐ場合などに行います。 顕微授精は、顕微鏡下で卵子の中に精子を直接挿入させる方法です。
1周期あたりの費用と妊娠率
- 費用 : 約30万円~50万円
- 妊娠率 : 30%~45%
※治療費の金額はあくまで目安です。金額は施設によって異なります。
- https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17978119 [Accessed March 2018] "Diet and lifestyle in the prevention of ovulatory disorder infertility." PubMed NCBI
- https://doi.org/10.1093/humrep/17.4.950 [Accessed February 2019] "Predictors of IVF outcome by three-dimensional ultrasound " Human Reproduction, Volume 17, Issue 4, 1 April 2002, Pages 950–955
- 国立成育医療研究センター https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r985200000314vv-att/2r98520000031513.pdf#page=22)(2018年11月19日に利用) 「生殖補助医療の現状からみた特定不妊治療助成のあり方」(厚生労働省)(
Reviewed by
-
Sachiko Mitarai, MD
不妊症は病気ではありません。しかし、不妊の原因のなかには、治療が必要な病気が関係しています。検査で見つかった病気がどんなものか、しっかりと確認しましょう。